2016年6月6日月曜日

男は虫(愛)めずるいきものなり

今日はかなり驚く事がありました。

しかし、その驚きはよく考えてみると田舎育ちのオジサンだからこその驚きであるということに暫くして理解できました。それは病院の帰りしなに起きたことでした。医局から出てきた時、たまたま看護師さんが息子さんを院内の保育所から連れ出してきて一緒に帰っている途中でしたので、子供好きの無邪気さが大好きな私としては茶々を入れずにはおれません。

ところが、今日はその子供の方から「おじちゃんあのネ、XXは今日ダンゴムシをさわったんだよ〜!」と言ってきて得意げです。そこは昆虫博士になりたかった私。すかざず幼児に対抗意識が燃え上がります。(要するに馬鹿なんですが・・・。)
「おお、それは凄い!怖くないのか?!」とワザと驚いて褒めつつも「ダンゴムシは本当は虫じゃないんだよね〜」と講釈を垂れると、そのチビ助は「え?なんでなんで。ちっちゃい虫でしょ。」とのお返事。私はすかさず「虫というのは足が六本ついてないと虫とは言わんのよ!」と、幼な子には意味不明な解説を開始。

まあ、本当に大人気のない五十のオッサンですが、正しいことを教えとかんとね、という感じで話が続きます。
「オジちゃんは小さいころ、ほとんど毎日虫捕りに行ってたよ〜。」と説明したあと、面白がるかなと思って手頃な昆虫であるカナブンが無数に食らいついた異常な木の話をしてあげたのですが、五歳のその子はカナブン???という顔になって、明らかにカナブンというものを見たことも聞いたこともない様子。

仕方ないので、その傍に立っているお母さんには申し訳ないとは思いつつも手持ちのスマホでカナブンというものを見せると画面に喰らいつく喰らいつく。勝手に画面をスワイプして次々めくります。w
やっぱ男の子は虫好きが多いのかな、とは感じつつも余り帰りしなに留めてもいけないと思いここで「またオジちゃんが今度見せたる!」と言って笑顔で別れました。

ちょこっとお母さん看護婦とお話をしたところ、虫取りなんて行く場所が無いというか経験させたことがないと言うでは有りませんか。毎日のように大量の蚊の飛びまわる大学の演習林で暗くなるまで虫を追いかけ木に登りウロをほじくり、腐葉土を掘り起こし幼虫を探していた人間にとってカナブンを知らない五歳の子がいることには久し振りに衝撃を受けました。

「この子ってもしかして、テレビや本でしか昆虫のことを知らずに大人に成るのか?」と考えると、何だかこっちのほうが焦燥感に襲われるような気がしたのですが、最初に書いたようによく考えれば九州の田舎にいたからこその経験であって、名古屋の車が多い街なかに住んでる子には何の罪も無いわなって事にすぐに思い至りました。

こういう経験をせんままに大きくなっていく子は人生の初期に大切な大きな何かを逃したまま大きくなるという意味でちょっと不幸やなと思うんですが、それはきっとオッサンの杞憂でしょうな。

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2 件のコメント:

匿名 さんのコメント...

私はカナブンやカブトムシ、トンボなど数種はなんとか行けるものの、
虫は苦手なほうです。
あるときピーマンを切っていたら中からウネウネとした虫が登場し
不意打ちにキャーキャー騒いでいたら夫がやってきて
「男の子が生まれたんだから、お母さんが虫見てキャーキャー言ってたら
子供までそうなってナヨっぽい男になるから止めろ」と言うんですね。
後から考えると何と無茶なこと言うんだと思わないでもないのですが
(女の子が生まれたらお父さんは女らしくしなくちゃいけないってことになりません?)
そのときは「そうかな?」なんて思ってしまいまして
砂場で蟻の大移動に遭遇しても、かまきりが行く手を遮ってユラユラ揺れてても
「ほら見て!すごいよ~」なんて言って自分なりに頑張っていたわけです。

で、子供が幼稚園生のころ、近所のお友達と数人で園バスを待ってるときに
たまたま足元にダンゴムシを見つけたので、取って手のひらで転がして
「ほら!丸く団子みたいになるからダンゴムシなんだよ」ってやっていたところ
「○○くんのママ、わたしにもダンゴムシ取って~」って子供のお友達から次から次へと頼まれまして
その日から私は園バス待ちの時間の虫取り担当になってしまいました。
いるのはダンゴムシとテントウムシぐらいなんですけど、毎朝、虫と奮闘!
ママ友はみんな虫が苦手でも旦那様から「虫と仲良く!」なんて指令は受けて無くて
「悪いわねえ…」なんて言われたりして…いやあ、あのときは大変でした!


small G さんのコメント...

お父さんもそうですが、お母さんとしても凄いじゃないですか!
(我慢してでもポジティブに見せるという行為!)

「虫と仲良く」指令、久し振りに笑ってしまいました。
御主人の納得の行く理屈をきちんと実行してくれる奥さんは素敵です。