2015年8月10日月曜日

夏休みと子供の自殺

内閣府が毎年発行している自殺対策白書というのがあるのを初めて知りました。

平成18年の法令によって定めるところにより、翌19年から発行されているようですが、今年は「子供達が自殺する」のが夏休み明けであることが大きな話題になりました。
実際に作成されたグラフを見てみると、4月の入学直後と5月の連休明け前後にも大きなピークはあるものの、夏休み明け直後のニードルタワーのように鋭いピークは他の月日に比べて平均約三倍という巨大な波です。
子供達の自死のきっかけが夏休み明けに始まる学校で待ち受ける「何か」、例えば宿題の提出や夏休み前までで既に苦手になっていたいじめっ子との再会、新しいクラスへ馴染めない子供達の心理的ストレスなどがその原因なのであれば、親にとってそれらは余りにやるせない理由です。
子供達がその無限大の可能性を持った存在を「自ら」終わらせるのかと思うとやっぱり子を持つ親としてはやりきれません。

小学生でさえ一年間に10人前後、18歳以下の青少年が一年に毎年約300人も自殺していく・・・。
自らが腹を痛めて産んだ子がその手で幼い己の命を断つ等ということは、親にとって己が人殺しに殺されるよりも辛いことです。

私は昔、既に大人になった我が娘が自殺した年老いた看護師さんが涙ながらに「シグナルに気づいてやれなかった事」を悔いておられたのを聞いたことがありますが、これ以上に親を苦しめる行いが本当にこの世にあるのでしょうか。
極端な話、子供を他人に殺されるよりも恐ろしい事は子供の自死以外にはありますまい。本当に「救い」というものがどこにもない。

昔、医学部のクラスメートが入学直後に自ら縊死を選びました。残されたのは一人息子を失った足の不自由なお父さんと病気がちなお母さん。私は彼の墓の前で声には出さず「馬鹿野郎」と言いました。

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